連日テレビで報道されている静岡県伊東市の田久保真紀市長の学歴詐称疑惑。
当初辞職意向を示したものの、2025年7月31日の会見で辞意を撤回し続投を表明しました。
2025年7月2日に開かれた記者会見では自身の学歴について「東洋大学を卒業したと認識していたが、実際は除籍だった」と明言しました。
除籍となった理由は一体なんだったのでしょうか?また除籍と退学の違いって何?
疑問について調べてみました。
除籍の理由とは?
伊東市長の 田久保眞紀氏 が東洋大学を「除籍」された理由について、現時点で明確な主張は大学側から公式には出ていません。
ただし、主要な報道や関連情報から判断される可能性として、以下のような事由が考えられています。
1.学費の未納
最も一般的な除籍理由であり、大学からの複数回の督促に応じず、本人や保証人とも連絡が取れなくなるケースでは、除籍処分となることがあります 。
2.必要な単位の未取得/在学年限超過
必要な単位を取得せず、在籍期間が所定の上限(多くの場合4年制大学で最大8年)を超過すると、自動的に除籍対象となります 。
3.長期欠席や学業放棄
「通ったかどうかわからないほど自由奔放だった」「通学期間を答えられない」といった本人の証言から、大学側から「学業放棄」と判断された可能性も指摘されています 。
「学費の未納」や「必要単位未取得による在学年限の超過」など複数の要因が複合的に作用して除籍された可能性が高いと言えそうです。
さらに、市長自身もその事実に気付いていなかったと説明しており、騒動は経歴詐称の疑義も含め社会的に注目されています。
除籍と退学の違いとは?
大学を辞める際に使われる用語には「卒業」「中退」「退学」「除籍」などがありますが、それぞれ意味や社会的印象が異なります。
●卒業
大学の定める全単位を修得し、正規課程を修了して学位(学士など)を授与される状態です。履歴書上「大学卒」は正式かつ明確な最終学歴となります。
●中退(自主退学)
学生自身の意思で大学をやめることで、たとえば家庭の事情や健康上の理由などで本人が正式に手続きをするタイプです。希望すれば再入学や編入などで復学できる余地もあります。履歴書には「大学中退」と記載します。
●退学(懲戒退学を含む)
本人の意思によらず、大学側の判断で在籍を終わらせる処分です。懲戒退学は規則違反や不正行為が原因とされ、除籍と似ますが、退学届や除籍通知の違いなど手続き上の差異があります。
●除籍
大学管理上、在籍者名簿から学生の名前を抹消する措置。本人の意思によらず行われ、主な理由としては「学費未納」「在学年限(多くは4年制大学で8年)を超過」「成績不振や長期欠席」「その他規定違反」などが挙げられます 。除籍後は在学記録のみ残り、卒業扱いとはならず、事実上学生としての身分が失われるものです。
このように、中退や自主退学は本人の選択に基づく手続きであるのに対して、除籍は大学側による強制的な処分であり、履歴書に「中途退学」と書いたとしても、実際に除籍だった場合には印象として「学業放棄」「経済的問題」「規則違反」など、ネガティブな受け止められ方をする傾向があります。
さらに、除籍の場合は再入学や復学が極めて難しく、大学側が在籍を許す余地がほとんどないのに対し、中退は救済の道が残されている点でも大きく異なります。
まとめると、中退は本人都合で比較的穏当、一方で除籍は大学からの強制退出かつ履歴書上も深刻に受け止められる処分です。
学歴詐称疑惑について
きっかけは6月上旬、伊東市議らのもとに匿名の「東洋大学卒ではない、中退どころか除籍だった」という内容の怪文書が届いたことでした 。
6月25日の市議会でも学歴について追及されたものの、明確な説明は避けられ、市民の不信を招く結果に。
その後、市長自身が6月28日、東洋大学教務課を訪れて卒業証明書を請求しましたが、「卒業の記録がない」とされ、「除籍」であったことが初めて判明しました 。
市長は「自分では卒業したと思っていた」「戸惑っている」と語り、長年にわたって誤認していた可能性もほのめかしました 。
東洋大学広報課は、「一度卒業した後に除籍されることはない」と断言しており、実際、「卒業が除籍に変わっている」という市長の説明には大学側も否定的です 。
複数の報道を総合すると、市長が在学中に学費を滞納した、もしくは所定の在籍年限を過ぎても必要単位を取得できず、長期欠席も重なったことで、大学側から事務的に除籍処分された可能性が指摘されています 。
さらに、市議会に提出したとされる「卒業証書らしき書類」に関しても、実際には卒業を証明するものとはならず、市議からは「ちらっと見せただけ」との証言もあり、内容に疑義が残りました 。
こうした不可解な対応により、市民からの信頼は大きく揺らぎ、伊東市議会では百条委の設置や辞職勧告決議案の検討に至っています 。
まとめ
除籍の理由は「学費の未納」や「必要単位未取得による在学年限の超過」など複数の要因が複合的に作用した可能性が高いと言えそうです。
中退は本人都合で比較的穏当、一方で除籍は大学からの強制退出かつ履歴書上も深刻に受け止められる処分です。
伊東市長の学歴詐称問題を受け、市民の皆さまの間に不信や混乱が広がっていることは否定できません。
今、滞ってしまっている市政が1日も早く円滑に回るように祈るばかりです。